スポティファイジャパンは、この春に新オフィスへと移転し、4月10日にメディアの皆様をお招きし「Spotify Japan Open Office」を開催しました。
「体は魂を表す」新オフィスをお披露目 リーダー陣によるトークセッションも

イベントは、スポティファイジャパン代表トニー・エリソンによる「ご挨拶・プレゼンテーション」からスタート。トニーは、リスニングルームやポッドキャストスタジオを備えた新オフィスのことを、「名は体を表す」になぞらえて「体は魂を表す」という言葉で表現。また、「仏を作って魂入れず」という言葉を引用し、「オフィスを作っただけで満足するのではなく、渋谷から新たなカルチャーを発信していきたい」とコメント。さらに「アーティスト、ファン、Spotifyの“三方よし”ではなく、そこに社会も加えた“四方よし”にしていきたい」と、慣用句を交えながら、新オフィスを新たな文化の発信拠点にしたいとする考えを示しました。

「Spotifyリーダー陣によるトークセッション」では、まず日本でサービスを開始した2016年秋からの音楽業界の変化についてトニーが解説。音楽配信の価値に対する理解を得ることが難しかった期間を経て、ストリーミングサービスはここ数年でようやく定着しつつあるとする一方、現在もCD文化が根強い日本において、ストリーミングユーザーは人口の約3割前後であることに言及。35歳前後のセグメントはストリーミングサービスの先進国の水準に近いており、さらなる発展のためには「35歳以上のセグメントを開拓すること」が喫緊の課題であると口火を切りました。続いて音楽事業部門統括・大西響太は、Spotifyが「ファンと繫がれるプラットフォーム」であることを説明。その“繫がり”を加速させるべく、MVの表示機能、ライブチケットやグッズ販売との連携などに加え、アーティストがファンといっしょに楽曲を聴きながらチャットで交流できる「リスニングパーティー機能」を追加することを紹介しました。

音声事業統括・渡海佑介はポッドキャスト事業について、月間リスナー数が前年比で+20%、聴取時間が+30%であることを示し、世界のポッドキャストクリエイターを称えるグローバル表彰プログラム「Creator Milestone Award」で、『霜降り明星のオールナイトニッポン』がブロンズカテゴリー(Spotifyでの累計ストリーミング数 日本においては5,000万回以上)に選出されたことを報告。この結果はグローバル基準に日本の番組が追いついた証拠であるとし、「全体にいいシグナルが出ている。アーティスト/クリエイターとファンの新たな関係を作れるメディアだと確信している」とポッドキャストならではの可能性を語りました。
広告事業部統括・立石ジョーは、広告アワード「Spotify Hits 2024」でグランプリを受賞したケンタッキー・フライド・チキン社の「和風チキンカツバーガー」のCMを紹介した後、近年ナショナルブランドとの取り組みが増えていること、アーティストも巻き込んだ音声広告キャンペーンの例なども紹介。また、海外のSpotifyではAIで広告素材を生成するツールがローンチされていることにも触れ、Spotify広告の注目度の高さについてコメントしました。
イノベーションを促進する開放的なオフィスを紹介
続いて開催されたのは、新オフィスを実際に見て回る「オフィスツアー」です。
トンネル型の「エントランス」は、昼は木の温もりが感じられ、夜は幻想的なゲーミングカラーに光り輝きます。そこから連なる「ラウンジ」は、バーカウンターやエスプレッソマシンを備え、社員が自由に利用することが可能。前述のトークセッションが行われた「ステージ」も併設され、さまざまなイベント開催にも対応しています。奥には開放的なテラス席があり、ソファでくつろぎながら上層階からの眺望を楽しむことができます。


また、世界中のSpotifyで4番目となる「ポッドキャストスタジオ」の新設は、動画収録にも対応可能な広めのブースが特徴。「リスニングルーム」では、最新のヒットソングを高音質のオーディオでゆったりと試聴することが可能です。

畳の部屋は2部屋あり、11階の部屋は掘りごたつ様式。10階の部屋には膨大なマンガがコレクションされ、足を伸ばしてマンガを読みながら休息を取ることができます。オフィス内の各部屋には「YOSAKU」「HEART AND SOUL」など邦楽・洋楽の名曲のタイトル、「Early Noise」などのプレイリスト名が冠されているのも本オフィスのこだわりです。また、「Parent/Nap Room」にはベッドも備えられ、子供連れの社員がオムツ替えや授乳に利用できるほか、夜は仮眠室にも利用でき、社員の多様性にも配慮がなされています。


デスクはフリーアドレス制で社長室もない開放的な作りは、「ヒエラルキーをなくし、部署を越えて社員が交流・情報交換することで、イノベーションが生まれることに期待している」とトニーは説明しました。
『RADAR: Early Noise 2025』7coのライブパフォーマンス


レセプションパーティの最後を飾ったのは、Spotifyが躍進を期待する次世代アーティストを選出する『RADAR: Early Noise 2025』に選ばれた7coのライブです。独特のリアリティ感を持った恋愛の歌詞と、チルとポップが交錯するクラブサウンドで人気を集めている彼女。この日はポップなビートと中毒性のあるサビが印象的な「0.0000%」をはじめ、レイドバックしたグルーヴが心地よい「恋愛後遺症」など全5曲を披露しました。MCでは「すごくイケてる!」と新オフィスの印象をコメント。「お仕事の息抜きに、手拍子してくださったら嬉しいです」と呼びかけ、会場に手拍子が広がる場面もありました。ラストには心地よいビート感が印象的な「stay tune」を披露し、浮遊感あふれるラップを繰り出してライブを締めくくりました。


日本では2016年からサービスを開始したSpotify。アーティスト/音楽への愛とこだわりが詰め込まれた新オフィスについて、「新たな働き方、新たな文化、新たな社会を作っていこうとするSpotifyの姿勢を、この新オフィスから感じてもらえたら嬉しい」とトニーは語ります。ここからどんな新たなムーブメントが巻き起こっていくのか、ぜひご期待ください。